分散って本当に必要ですか?

こんにちは、これはアドベントカレンダー・・・ではありません。

とせっかくなのでマストドンの今後について考えてみよう、という記事・・・ポエムです。

マストドンのシステムについて

御存知の通りマストドンは様々なユーザーがインスタンスを建てることが出来るソフトウェアです。

そして同じシステムを使っていれば通信することが出来るそれこそメールサービスのようなソフトウェアになっています。

皆さんが所属しているインスタンスはどこですか?mstdn.jp?friends.nico?pawoo.net?もしくは数多のインスタンスのどれかでしょう。

きっとどこも素晴らしいインスタンスなのだと思います。

素晴らしいインスタンスの素晴らしいユーザーをフォローできる、それがマストドンです。

分散化のメリット、中央集権のメリット

さて、話題の分散化ですが、比較として中央集権という単語をご用意しました。

よく「マストドンは分散、Twitterは中央集権」というような感じで使われています。

双方のメリットについてですが、単純に2極化してしまってもまだまだ難しいところがあります。

なので分散化を目指す究極系「国民総お一人様インスタンス」から、多くの「小中規模インスタンス」、mstdn.jpやpawoo.netのような「大規模インスタンス」、そして皆燃やすの大好き「Twitter」に分けて比較していきたいと思います。

赤字は個人的にプラスだと感じた部分です。

分散化(お一人様) 分散化(小中規模) 分散化(大規模) 中央集権
人数 1人 ~1万 数万~数百万 全世界で何千万
運用コスト 低い ~数万 高い 高い
利用規約
凍結
サーバー規約
凍結されない
サーバー規約
サービス規約
凍結される
サーバー規約
サービス規約
凍結される
サーバー規約
サービス規約
凍結される
LTL 無意味 チャット化しやすい チャット化することもあるが頻繁に話題が変わり話題が分散しやすい
FTL 無意味 共通のインスタンスにいる人の共通のフォロワー 共通のインスタンスにいる人の共通のフォロワーだが、特に関係のないジャンルの人等自分と嗜好が遠い存在も多い。
ユーザーの見つけやすさ 初期状態では0,何らかの形で事前にフォローする相手を見つけておかないといけない LTLから見つけることが可能 LTLから見つけることが可能 ユーザー検索が充実しており共通の趣味を持った相手などを探しやすい
話しやすさ リプライ形式でしか話しかけられない LTLでなんとなく話しかけられる LTLでなんとなく話しかけられる リプライ形式でしか話しかけられない

はい。こんな感じだと思います。違うという方はご自分でおまとめし直して頂けると助かります。

人数

当たり前ですが、究極系お一人様インスタンスでは1人です。これが分散を最適化した結果だからです。最近お一人様インスタンスの中で趣味などの用途に分けてアカウントを使い分ける手法を耳にしました。とてもナイスな使い方だと思います。この場合表示上は何人も居ますが、精神が分裂しているだけなのでやっぱり1人です。

小~大は規模次第ですが、中央集権の場合「すべて」と言い換えられるかもしれません。

ただし、これは各インスタンス内の話であってリモートフォロー出来るマストドンでは関係のない話かもしれませんね?

運用コスト

当然規模がでかくなると高くなります。そりゃぁもうとにかくデカく。MTG用語で言うところのファッティです。高コストなのにパフォーマンスにすぐれないインスタンスを「甲鱗のワーム」とでも呼びたいくらいです。

お一人様の最小コストは現在0円です。これはムトーやホストドンなどのサービスがありそれらの上で展開した場合の話です。

しかし、本当に0円で運用できますか?

分散型思想の理想形は当然分散です。ホスティングサービス上の分散が果たして本当に分散として意味をなしているのでしょうか?

究極の分散を目指すのであれば、ホスティングではいけないのではないでしょうか。これを言い出すと「それならサーバーも自前で用意しなければならない!」となります。

はいそうです。それが究極完全分散型・マストドンの最終進化系です。どうせ目指すならそこまでいかないといけない。

 

ここまで読んだ方ならわかると思いますが、大分極端な思想を例にしています。

 

利用規約・凍結

お一人様は自由気ままです。但し、自分でサーバーを借りてその規約内で運営するのであれば、ですが。

そうですよね?ホスティングで建てている場合、サーバー規約とともにホスティングの利用規約が関わってきます。

 

ローカルタイムライン(LTL)

お一人様では無意味なものです。ボットを動かすのであれば別ですが。

小中規模では基本的にチャット的な使われ方が多いのではないでしょうか。そうでないならそれはそれで運用がうまくいっていると思います。

ローカルタイムラインがチャット化することが悪い文化のように言われますが、本当に悪いですか?

考えても見てください、チャット化したところで誰に迷惑をかけているというのでしょうか。

もしそれが嫌なのであれば貴方がするべき行為はその人のフォローを外すことです。

身内感が強い?仲がいいんですよ。きっと貴方は羨ましいのでしょう。(輪に入れない時、私はそのサービスがクソだなと思いますが、それはサービスがクソなのではなく私がコミュ障で妬んでいるからなんだと自覚しました。)

 

連合タイムライン(FTL)

お一人様では自分のホームとほぼ同義です。ボットが居なければ。

連合タイムラインの良さについては正直微妙なところです。

大切に育てていったとしても誰かが大量にインポートしたら壊れます。

 

ユーザーの見つけやすさ

お一人様では皆無です。どこかしらのインスタンスに所属していた人しかほぼ無理です。

でも分散してフォローするために他のインスタンスに登録しなければいけないのはちょっとおかしいですよね?

これは今議論されていることでもありますし、様々な方がユーザーマッチングや検索を試みているところもあり発展途上の多い要素だと思います。

 

話しやすさ

LTLで話しかけられる、という気軽さがマストドンが受けたポイントの1つだと思っています。リプを送る程じゃないけど軽く話題に入ることが出来ます。適当に呟いただけでも皆が反応してくれます。同じ空間に居るだけで仲間意識が芽生えるだけでなく、空リプでいいということでライトなコミュニケーションが取りやすくなっています。

小学校のクラスや合コンと同じです。そこにいる、というだけで話しかけやすくなります。

 

そもそもどうやって始めるのか

ではインスタンスを建てる方法に行きましょう。

ホスティングはどうなの?というお話をしたあとなので、ホスティング以外で簡単に行きましょう。

  • ドメインを作る(年間1,000円程度)
  • サーバーを借りる(年間6000円程度)
  • ドメインを設定する(無料)
  • パッケージインストールをする(無料)
  • 立った!インスタンスが立った!(感動)

なるほど、それほど難しくはなさそうですね。

しかし、ここで問題が。

SNSに年間7000円って安いですか???

確かに日本の国民がSNSに使っている時間は長い。

それを快適にするためのお金とすれば安いかもしれない。

が、まだまだ日本人にその感覚は難しいし微妙だと思う。

そもそもユーザーは分散を求めているのか?

Twitterから凍結された絵師さんたちは分散を求めてPawooに移動したのか、それは違うと思います。

単純に

  1. 「エロ絵を上げやすく」
  2. 「凍結されにくい」
  3. 「人の多いSNS」

だったらそれでよかったんです。

マストドンがPawooしかなくてもきっと満足していたのではないでしょうか。

PawooからTwitterに帰る絵師さんたちは前者2つよりも「人の多いSNS」という条件が満たされなかった(=ブーストがされなかった)から戻っている人が多い印象です。

分散していなければダメなのか

基本的に分散するメリットは自分で管理できることです。デメリットは自分で管理しなければいけないことです。

察してください。

  • ユーザーはめんどくさがりです
  • ユーザーは楽しければ良いのです
  • ユーザーはそこの鯖缶に納得していれば良いのです

 

なぜ分散を求めている鯖缶がユーザーを募集しているのか

謎ですね。

同様に分散に声を上げている人たちがお一人様じゃないのも謎ですね。

実行しましょう。

 

結局のところ自分の理解者が欲しいだけである

分散を推奨してるけど、募集してる鯖缶の人「自分のところに人が集まらないから寂しい><」とはっきり言いましょう。

チャット化してることに文句言ってる人たちも「外を見たら楽しい人が居る!」なんていうのはおかしい。「世界にはこんなに素晴らしい国がある!」というくらいおかしい。いや、おかしくはない。でも「日本の狭い範囲でお祭り騒ぎしてる人たち」みたいな表現はやめてほしい。なぜそこで楽しんでいる人たちに水を差す必要があるのか。これがわからない。

 

何が言いたいかというと・・・

要するに上記の話は究極完全分散型・マストドンは人類には早すぎる。それだけである。

運用コスト的な問題、初期フォローの問題、そして「それ皆が賛同すると思いますか?」という致命的な問題。

「皆じゃなくても俺はやる!」。良いと思います。少しずつそういった人たちも増えていくと思います。

では、最初からそのような人しか居なかったとして、マストドン流行ったと思いますか?

SNSというのは結局のところ人と人の繋がりです。人同士の繋がりが希薄なSNSやる意味ありますか?人の居ないSNSでポツポツつぶやく必要ありますか?

初めてすぐでも気楽に楽しめるからチャット文化も発達したのです。

 

では、マストドンの分散は本当に意味が無いのか

そんなことはないはずです。マストドンの分散には意味があります。

しかし、究極完全分散型・マストドンまで目指す理由はない、と思っています。

第一に現実的でないからです。少なくとも早すぎる。

では“今は”どのくらいを目指してやっていけるのか。

結論は単純です。

建てたいやつが建てた所までで分散は完了している!!!

です。

それがお一人様だとしても、募集をかけたインスタンスであってもです。

鯖缶がインスタンスをたてた時点で分散化は終了しているし、ユーザーは分散化をしたくて集まっているわけではない、ということを理解して欲しい。

人が増えすぎてLTLが使えない、気に入らない話題が多い、専門的な話題がしづらい!などの不満が生まれたらそこでユーザーが鯖缶になりインスタンスを建てて分散すれば良いのですよ。

 

正直な所

マストドンの分散にはまだまだ時間がかかると思います。貧弱なユーザー検索大手でしか機能しないハッシュタグ完全にチャット空間と化してしまったLTL、それこそ雑多すぎて共通の知り合いでもなんでもないFTL。何よりも人が少ない

人が増えないSNSに待っているのは緩やかな死です。

分散だの中央集権だのはおいておいて、まずは人を増やしませんか?

 

 

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