「愛するということ」エーリッヒ・フロム著

こちらは、本棚の本を紹介する Advent Calendar 2020 12月23日の記事です。

 

ごあいさつ

はじめまして、深海(しんかい)と申します。

普段はFカップ美少女JCとして、分散型SNSで活動しています。(がく鯖アスタルテポケマスにアカウントがあります)

TLでこのカレンダーを見つけて、「なんて素敵な企画なんだろう」とワクワクしてしまい、勢い余って登録しちゃいました。

どうぞよろしくお願いします。

 

 

本の紹介

今回紹介させていただくのは、エーリッヒ・フロム著、鈴木晶訳の「愛するということ 新訳版」です。

※今年の8月に、改訳・新装版が出たようです!

ジャンルとしては、著者がその思想や哲学について語った本ですね。

著者の主張を僕のつたない文章で要約すると、以下のようなものになります。

 

現代人は、もっぱら”愛されること”に関心を向け、努力している。

しかし、本当に力を注ぐべきは、”愛すること”である。

多くの人は、愛することについて誤解している。

例えば、「愛するためには、それにふさわしい相手を見つけることが必要だ」「愛とは何かのきっかけで”落ちる”ような、ロマンチックな体験である」という風に。

しかしそのような愛は、かりそめのものでしかない。

本当の意味で人を愛することでしか、人間は孤独を克服できないのだ。

愛するということは、自分の中に息づいている喜び・興味・理解・知識・ユーモア・悲しみなど、あらゆる表現を与えること。そして「配慮」「責任」「尊重」「理解」を忘れず、相手を信じて見守ること。

真に人を愛するためには、人間的に成熟していなければならず、そのためには厳しい修練が必要である…

 

n年前、初めてこの本を読んだ僕は、「僕がなんとなく感じていたことを、しっかりと言語化して本にまとめてくれている人がいたんだ…!」と感動したものです。

愛に悩んだり、愛について考えたりしている若者には、特におすすめです。

逆にある程度年齢を重ねた人にとっては、真新しいことはあまり書かれていないかも知れません。

しかしこの本に書かれているようなことって、忙しい毎日の中でついつい忘れがちになったり、理屈はわかっていても実践するとなると難しかったりします。

自分を見つめ直す機会として、この本を活用するのも悪くないんじゃないでしょうか。

難点としては、哲学的なテーマを扱っており、日本人にはあまり馴染みのない”神”について触れることも多く、どちらかと言えば難解な書籍であると思います。(僕もおそらく、著者の主張を正確には理解できてない部分が多々あると思います)

また、原文は60年以上も前に書かれたものであり、現代の価値観に照らし合わせるとギョッとするような表現もあります(同性愛を堂々と非難するなど)。

裏を返せば、そのような一部の表現を除いて、現代にも十分通じる内容ということです。

とても有名な本ですし、これまで手に取る機会がなかったという方は、この機会にぜひ。

 

 

おわりに

この本の魅力を十分に伝えられたか、あまり自信はありませんが、このような素敵な企画で自分の好きな本について語れて、個人的には満足です。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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